ずみずみの東大編入体験記

とある高専生です。高専からの編入について少し書いています。東大編入したい人でもそうでない人でもタメになると思います。

2024年度 東京大学工学部編入 合格体験記

神戸高専電気工学科のずみずみです。

この度、東京大学工学部航空宇宙工学科学科に合格し、先輩方の体験記を見てモチベを保ったり、勉強法を参考にしたりしていたので、自分の受験生活について書きたいと思い、体験記を書くことになりました。

 

スペック

席次

1年:34位

2年:17位

3年:8位

4年:1位

5年前期中間:2位

TOEIC

3年1月:635点

4年4月:710点

4年9月:800点(提出)

4年12月:770点(IP)

併願校

神戸高専専攻科:不合格

大阪大学基礎工学部エレクトロニクスコース:合格

大阪大学工学部応用自然学科:未受験

神戸大学工学部電気電子工学科:未受験

 

 

きっかけ

高専入った時には既に就職という選択肢はなく、大学受験で高専から抜け出すか、編入することしか考えてませんでした。(特に工学について興味があるわけではなく、周りの環境的にも大学に行くのは当たり前だと思ってました。)

大学受験は学力不足で断念したので、編入の道を決意し、元々は家から近いので阪大工学部に行こうと思って3年の頃から勉強していたら、勉強してるうちに東大を目指せそうだったので、日本トップの東大に行こうと思うようになったのがきっかけですね。

次に第1志望を航空宇宙工学科を選んだのは、工学の中で自分が興味ある分野ないかなーって探してたら、宇宙面白そうじゃん!!ってなったからです。子どもの頃から星とかの夜景が好きだった影響もあるかもしれません。(高専では電気工学科ですが、電気を絶対にやりたくないっていう思いもありました。)

第2志望をシステム創成学科にしたのは、Cコースで太陽系探査計画とかの研究がおもしろそうだなと思ったり、能力は全くないですがプログラミング面白そうだな〜って思ったから。

 

 

高専時代の生活

1年生

大学には行こうと思ってましたが、他の高校生は大学に入って1,2年生の時遊べるのに、編入は5年で受けるから4,5年遊べないなって思ったので、とにかく部活とゲーム(モンスト、クラロワ、荒野行動など)と遊びしかしていませんでした。

クラロワというゲームで高校生のオフライン大会に出場したのはとても良い思い出です。

1年生の頃は席次を見ての通り、勉強とは無縁の生活を送っていました。

 

2年生

・英語:塾の教材(大学受験)

2年生が始まってから例のウイルスが流行し始め、オンライン授業になり、バイトも出来なくなったので、一日中ゲームをしていました。

勉強面では、1年生の頃から中学校の塾に引き続き通い、英語には少し関わっていました。2年生に担当して頂いた先生が僕のことをボロクソに言ってくれて、英語を勉強し始めましたし、大学受験の道は諦めました。この先生との出会いは本当にデカかったです。

 

3年生

前期

英語:塾の教材(大学受験)

部活の先輩方から話を聞いて、編入に対して危機感を持ち始めました。流石にそろそろやらないとヤバいんじゃね?と思うようになり、テスト勉強を少しやり、とりあえず阪大を目指して頑張ろうと思いました。

前期は英語を主にやっていました。

 

後期

TOEIC:公式問題集7、究極のゼミ

数学:徹底研究

物理:セミナー物理、エッセンス

後期は引き続き塾を通して、大学受験の阪大などの長文をすることで力をつけていきました。また、TOEICの勉強を公式問題集や究極のゼミ・模試などでし始め、行き帰りなどにリスニングを聞くようになりましたが、リーディングは文章が面白くなさすぎてモチベがありませんでした。

10月にスタプラ(Studyplus)を始め、同年代の人にTOEIC900点超えの人がいて絶望したのをきっかけに、ちゃんと勉強し始めるようになりました。

英語はTOEICを1月に1回受けてみるかーと思い受けてみたら635だったので、まあ低いけどそのくらいかと受け止め、引き続き勉強を続けました。

次に数学についてですが、12月に徹底研究を買いました。やり始めた時は1、2年生の知識が無さすぎて三角関数微分もまともに出来ませんでした笑。

物理に関してはセミナー物理(大学受験用のやつ)を10月に始めました。物理も1、2年生の時に全く勉強してこなかったので等加速度運動の公式も知りませんでした笑。

ほんとに数物は何度もこんなんできるようになるんか?と思い、絶望していましたが、俺は阪大に行くんや!という強い意志を持ち、諦めずやり続けました。

 

春休み

TOEIC:公式問題集5、金フレ、究極の模試、精選模試reading3

数学:高専の教科書

物理:エッセンス

春休みは数物はあまりやらず、TOEICの勉強をひたすらやり続けました。

 

4年生

4月~5月

TOEIC:精選模試reading3、でる1000

数学:高専の教科書、新応用数学(ベクトル解析)

物理:エッセンス

4月は引き続きTOEICの勉強をし、5月に受けると710点しか取れなかったのでまた絶望しました。ここで一旦TOEICを中断して、受験英語や数物にシフトしました。

 

6月~7月

英語:頻出英文法・語法問題1000、ポレポレ、速読英熟語

数学:徹底研究、新応用数学(ベクトル解析)

物理:名門の森(力学)

受験英語は比較的楽しいと思ってたので、サクサク進みました。

数学は徹底研究を再開しました。

物理はセミナー物理などで高校範囲の基礎は固めたと思ったので名門の森で力学を始めました。しかし、思ってた以上に基礎が固まっておらず苦戦しました。

また、この頃からecc編入学院の授業が始まり、編入数学の基礎の基礎を主に学びました。

 

夏休み

TOEIC:公式問題集7,8、精選模試reading3、出る1000、金フレ

英語:ポレポレ、速読英熟語

数学:徹底研究、ベクトル・行列・行列式徹底演習、細野確率

物理:名門の森(力学)、演習力学、弱点克服の初等力学

4年の夏休みが1つの山場だと思っていたので、1日8時間程度頑張り、志望校を阪大から東大に本格的に変えました。

受験英語は一旦やめて、TOEICを再開しました。今までやってきた参考書をもう一度やり直し、公式問題集8で演習することで、9月のTOEICでは800点を取ることが出来ました。

数学は徹底研究を初めの方に詰めて、線形代数の演習がてらベクトル徹底演習をしてから、ノータッチだった確率を細野先生の参考書で学びました。

物理は引き続き名門の森をして、高校範囲が終わったので演習力学をしました。正直演習力学は僕にとってレベルが高く、あまり意味がなかった気がします。演習力学を苦しみながら1周した後、弱点克服の初等力学を始めました。

 

10月~冬休み前

英語:ポレポレ、やっておきたい長文500、鉄壁

数学:編入数学過去問特訓、編入数学入門、新応用数学

物理:弱点克服の初等力学

この期間は少し参加させてもらっていた課外活動での発表があったり、研修旅行があったりで勉強にあまり力を入れることが出来なかった期間でした。

TOEICが落ち着いたので受験英語を再開しました。やっておきたい500をして長文の能力が落ちていることに気づかされ、とても焦りました。鉄壁は多すぎたので断念し、元々使ってた単語帳に変えました。また、10月に1回東大の過去問を解いてみて、ボロボロではありませんでしたが点数は貰えないだろうという感じでした。

数学はこの時期から過去問特訓を始め、ecc編入学院での授業が編入数学入門の内容だったので、漸化式などを勉強するためにも入門も進めました。また、学校で複素解析の授業が始まったので、それに合わせて教科書で学びました。

物理は弱点克服の初等力学をしました。この本はやっててとても参考になりました。

 

冬休み

英語:ポレポレ、やっておきたい長文500

数学:過去問特訓、ハッとめざめる確率

物理:電磁気学演習

英語は引き続きやっていた参考書をやりました。

数学は過去問特訓をしながら、確率が弱いと感じていたので、ハッ確を始めました。

物理は冬休み前までに力学は終わらせた(つもりだった)ので、電磁気を始めましたが、編入まであと半年と意識すると物理が1番間に合いそうになかったので、焦って物理メインで勉強しました。

 

冬休み後~春休み前

英語:ポレポレ、英語長文問題精講、例解和文英訳教本 文法矯正編

数学:過去問特訓、徹底研究、複素一本道、過去問

物理:電磁気学演習、基礎物理学演習、過去問

英語はやっておきたい500が終わったあとに長文精講をやり始め、英作をするために和文英訳教本の赤を始めました。

数学はeccの授業で徹底研究をやり始めたので、自分でも復習しながら、教科書で補えなかったローラン展開や複素積分を一本道でやりました。

物理は引き続き電磁気学演習をやりつつ、eccの授業が基礎物理学演習に沿ったものだったのでやりました。

また、数物は過去問をスタプラで知り合った3人と一緒に解くというのを始めました。

 

春休み

英語:英語長文問題精講、例解和文英訳教本 文法矯正編、過去問

数学:徹底研究、過去問特訓、過去問

物理:基礎物理学演習、熱力学マセマ、熱・統計力学演習、過去問

春休みはとにかく過去問を解きまくりました。特に数物は2.3日に1年くらいのペースで解いていました。過去問は解ける解けないが問題ではなく、解けないのは当たり前で形式や記述に慣れていくということが重要だと思います。実際に僕も数学は大体5-6割、物理は3-5割くらいでした。1日の10-12時間を勉強に費やし、3月の勉強時間は約340時間になっていました。

英語は、長文精講をやってましたが東大の形式と合わないと思い断念し、和文英訳教本赤をやりながら、週1で過去問を解き、先生に添削してもらうということをしていました。

数学はeccの授業を復習したりしながら、過去問特訓を解き、過去問を解きました。

物理もeccの授業の復習や熱力学に手をつけたりしながら、過去問を解いていました。

 

5年生

4月

英語:英文和訳教本 文法矯正編、公式運用編、過去問

数学:過去問特訓、演習線形代数(培風館)、過去問

物理:基礎物理学演習、電磁気学(コロナ社)、振動と波(長岡洋介)、名門の森(熱)、過去問

春休みが終わり、過去問も15年分くらい一通り解き終えた後、自分が苦手だと思った分野や物理の第三問対策をやり始めました。募集要項が発表されたり、過去問の出来が悪かったりして、受験までの焦りもあり、春休みまでは1日1時間程度やっていたゲームもほとんどやらなくなりました(やる余裕がなかった)。

英語は過去問を解きながら、教本の赤を大体終わらせたので青に取り組みました。

数学は過去問を解いている感覚で割といけると感じていたので、少なめにしていました。東大の過去問を一旦ほぼ中断し、阪大の過去問を解いたり、eccの授業の復習をしたり、線形代数が理解しきれてないと思ったので演習本をしていました。

物理は過去問を解いた感覚でやばいと感じていたので、東大や阪大の過去問を解きながら、力学と電磁気の時間を後で確保するためにも第三問対策をしました。大学範囲の熱力学は春休みでやっていたので、高校範囲の熱をしたり、振動・波動をyoutubeの京大の授業を聞きながら振動と波を使って学んだりしていました。

 

5月

英語:英文和訳教本 公式運用編、技術英語の基本を学ぶ例文300、過去問

数学:過去問特訓、演習線形代数(培風館)、過去問

物理:基礎物理学演習、電磁気学(コロナ社)、名門の森(熱)、過去問

受験まであと二か月しかないという焦りしかありませんでした。

英語は教本の青をやっていましたが、赤が強すぎてあまり意味がないと思ったのでやめて、技術英語の例文集を始めました。この本のおかげで英訳が安定してきて英語も6割はいけるなという確信を持つようになりました。

数学は参考書による学習を少なめにして、再び過去問メインでやりました。過去問は今まで解いた過去問の復習をしたり、阪大の過去問を解いたりしました。

物理も高校範囲の熱を終わらせた後、過去問メインで勉強しました。東大の過去問は難しすぎて復習したところで身につかないと思ったので、阪大の過去問を解きました。阪大の過去問は誘導があったりで、解きやすく勉強になりました。

 

6月

英語:技術英語の基本を学ぶ例文300、ポレポレ、過去問

数学:過去問特訓、マセマ複素、弱点克服の複素関数/微分方程式、過去問

物理:基礎物理学演習、電磁気学(コロナ社)、名門の森(波動)、マセマ振動・波動演習、なっとくする量子力学、詳解力学、電磁気学演習、過去問

6月は専攻科受験があったりでいよいよ受験だという感じでした。しかし、専攻科受験の2,3日前に風邪にかかり、発熱したりしなかったりの謎の波が10日くらい続き、あまり専門の対策もできていなかったこともあり、無事専攻科は落ちました。東大受験一週間前くらいまで続いていて、受験できないんじゃねと不安しかありませんでした。

英語は本番何とかなると思っていたのであまり力を入れず、例文を見たり、ポレポレを復習したりしました。

数学も何とかなると思っていたので過去問特訓の復習をしながら、マセマ複素で写像をやったり、弱点克服の複素/微分方程式を少ししました。また、残していた10年弱の過去問を一気にやって自信を付けました。

物理はマジでやばいと思っていたので、第三問を詰め込みながら、詳解をして力学と電磁気の総まとめをしました。ちなみに東大の過去問はほとんどしませんでした。また、専攻科の専門対策に学校の電気回路の教科書やワークをしたり、詳解電気回路演習も少ししました。

 

 

一次試験本番

前日に東京入りして、スタプラの人たちと会って会場の確認をしたり、湯島天満宮にいってお参りをしました。フォーレスト本郷に泊まり、特に勉強はせず、リラックスしていました。

当日は緊張で全然寝れず、5時間睡眠で本番に臨みました。

 

英語

英語は、試験が始まった瞬間に緊張でペンが動かなかったのをよく覚えています。普通に第1→2→3問の順番で解こうと思っていたんですが、第1問の傾向が変わってそうだったので、第2→3→1問で解きました。

・第1問

アメリカの経済みたいな話だったと思います(内容はあまり覚えていない)。例年と傾向が少し変わり、和訳だけでなく、問われた部分を探して和訳するという長文的要素が含まれていました。300文字程度という設問に時間を取られ、試験終了ですと言われる直前にギリギリで終わりました。

・第2問

再生可能エネルギーに関する話だったと思います。難易度や量は例年と変わらなかったと思います。「―で賄う」の英訳が出てこなくて適当にconsumeを使いました。

・第3問

ランドスケープに関する話でした。背景知識が一切なく、最後の100文字で説明せよという設問がとても難しくて適当にごまかしました。都市的な話ぽかったのでとても苦手で読みにくかったです。

 

数学

英語は6割はあるだろうと思っていたので、あまり心配はせず数学に臨みました。

・第1問

様々な微分方程式が5問ありました。特殊だったのは4次微分方程式と、文章から方程式を作ってから解くという問題で、4次は普通にミスって、文章から解くやつは全ての問題の一番最後に解いたので間に合いませんでした。

・第2問

図形の確率でした。7割くらいまでは比較的普通で、最後らへんは難しく、説明問題は解けませんでした。図形の確率は苦手でしたが、何とか解けました。

・第3問

複素はこれまでの過去問の基本問題のまとめみたいな感じで簡単でした。強いて言えば複素積分の留数計算がめんどくさかったことくらいです。複素関数の計算と写像、複素積分が分かれば解ける問題でした。

・第4問

線形代数は基本的な対角化と行列のネイピア数、二次形式の問題でした。最後の二次形式の問題は三次元で出てきて、定数aを変えた時の体積と概形を求めろみたいな問題でした。体積を求まりましたが、概形はわかりませんでした。

 

物理

昼休憩を挟んで、物理でした。英数は悪くはないかなくらいでしたが、自分は物理が苦手なので気を抜けませんでした。

・第1問

物理も問題の傾向が変わり、第3問が第1問にやってきました。力学の座標変換?(x,yをr,θ)みたいな問題であまり意味が分かりませんでしたが、6割はあるだろうと思いました。

・第2問

第2問に力学が来ました。円柱を転がすよくある問題かと思いましたが、円柱の中を切り抜いたものを転がしていました。切り抜く割合を関数にして、滑ったり転がったりする時の加速度や摩擦力を求めました。計算がややこしくて苦労しましたが、円柱を転がす問題は解きすぎて加速度などの答えを覚えていたので、答えが一致してとてもうれしかった記憶があります。最後の円筒の中にさらに円柱を入れて転がすという問題は意味が分からなかったので白紙で飛ばしました。

・第3問

電磁気の前半は電気抵抗、静電容量、誘電率、伝導率の関係を調べるという問題で簡単すぎて拍子抜けしていましたが、後半で円柱を2つ近づけたものの静電容量などを求めてから、3つになったらどうなるかという問題が出て意味が分からなかったので適当に答えて飛ばしました。

 

 

一次試験発表

体感で英語6.5割、数学7.5割、物理5.5割かなと思っていたのでワンチャン受かってるかなーって感じでした。合格発表が10時にありましたが、その時間が体育だったのでクラスの友達と一緒に見ました。初めに友達がスマホに見せてくれた合格発表が昨年のもので、それを見て落ち込んでいましたが、昨年のであることに気づき、今年のを見ると受かっててとても安心しました。合格時にはみんなが胴上げをしてくれたので、とてもいい思い出になりました。

 

 

二次試験本番

二次試験前に阪大基礎工の受験があり、面接がボロボロだったので面接対策は入念に行いましたが、近年では面接で落ちている人はいないので、あまり緊張せず臨みました。午後からだったのでコメダに行って昼飯を食べてから、ゆっくり待機場に行きました。

面接では以下のことが聞かれました。

東京大学の志望理由

シンプルに教育や研究が日本一で、航空宇宙の最先端の研究をしてるから。

・したい研究といきたい研究室

イオンエンジンの研究がしたくて、小泉・小紫研究室にいきたい。

イオンエンジンの特徴と欠点

欠点には戸惑いましたが、自分で調べたことをまとめて言いました。

・自分のアピールポイント

課外活動のことをアピールした。

・部活について

1,2年にやっていた吹奏楽について少し話した。

 

面接は10分弱で終わり、聞かれるだろうと思っていたことがほとんどだったので、落ち着いてできました。最初貧乏ゆすりをしていた先生も、イオンエンジンのことについて説明したり、課外活動の研究について説明することでうなづいてくれました。最初は面接特有のピリッとした感じでしたが、アピールポイントが多くなるにつれて、和やかな雰囲気になっていきました。

 

 

二次試験発表

東大には受かるだろうと思っていましたが、航空宇宙工学科に受かるとは思っていなかったので、無事に航空宇宙工学科の文字が見えた時はうれしかったです。

今年は2教科受験の合格率が少し低く、第一志望に合格している人が多いように感じました。シス創が一人なのは驚きました。

 

 

点数開示

全部大体7割ないくらいでした。

全体換算すると67%で、周り見てる感じ低い方だと思うので2/3とれば受かる感じだと思います。

 

スタプラのグループ

4年の前期にスタプラでffだった人からdiscordの誘いが来て、そのことがきっかけで編入グループが出来ました。その中でも通話したり、教えあったりしていた4人で東大編入のグループを作りました。

そのグループでは、春休みごろから東大の数物を一緒に解いて答え合わせをしたり、わからないことを教えあったりしていました。また、全員の自己採点を表にまとめたりすることで、自分の立ち位置が分かりとてもモチベに繋がりました。

僕はこのグループがなければ、学校でも東大を目指している人はいなかったので、まず東大を目指していなかったと思います。このグループがあったからこそ東大に合格することが出来ました。グループでは3人しか合格できませんでしたが院で再開できると思っています。

今年の東大は明石高専の人が少なかったですが、グループを作って一緒に高めあっていくことで、情報が豊富にある明石高専にも太刀打ちできると思います。

 

 

編入を目指している人に向けて

今後編入する、またはしようと思っている人に向けて受験期間中に感じたことなどをテーマごとに書いていこうと思います。

勉強時間について

僕はよく受かった人の勉強時間をスタプラで見ていたので気になる人は参考にしてください。

3年:平日7時間(内職、通学時間含む)、休日8時間

4年:平日7時間(内職、通学時間含む)、休日10時間

5年:平日8.9時間(内職、通学時間含む)、休日11.12時間

遊んだ日は1.2時間とかでしたが、英語2.5:数学4:物理3.5くらいで、大体こんな感じの時間で勉強してました。

 

モチベについて

僕は大体3年の夏休みくらいから受験勉強を始めたわけですが、モチベは塾とゲームでした。中学の時行っていた塾に高専に入ってからもいたんですが、そこで大学受験を目指している人たちと一緒に話したりする中で、自分も勉強しなければならないなという危機感が出てきました。そして、2年の時に英語の授業をしていただいた先生が厳しくて、ついていけないと感じてから勉強を始めました。

ゲームは4年の夏休みくらいまでは普通にやってましてが、夏休みからは流石にたまに休憩dayを作りながら1日1時間と決めたり、スマホのスクリーンタイムでyoutubeなどは30分に制限しました。

受験期間中はずっと勉強するのではなく、程よく娯楽や遊びに行ったりすることも重要だと思います。

 

娯楽について

ゲームは1日1時間と決めていましたが、普通にたまに遊んだりもしていました。

自分が1番ストレス発散になったことは1週間に1度外食にいって話すことでした。

 

勉強法について

僕は誰かの勉強法を真似するわけではなく、とりあえず勉強のための時間を増やすということを意識しました。よく量より質という人がいて、その通りだと思いますが、僕は集中力が続く人ではなかったので、質というのは量があってこそ着いてくるものだと思います。そのため、僕が見てる中でスタプラで僕より総勉強時間が多い人はほとんどいないと思います。勉強時間では誰にも負けないくらい勉強しました。まあ効率は6割くらいだと思うので、集中力に自信がある人には参考にならないと思います。

 

ecc編入学院について

僕は4年の夏くらいから通いました。初めは数学だけ受けていて、5年に入ってからは数物の授業を受けました。数学は徹底研究などの著者である桜井先生が授業をしてくださり、とても分かりやすく良かったです。物理は神戸大学を目指したレベルだったので結構簡単でした。

オンライン授業でも受けれるので、数学だけ受けるのはとてもオススメです(宣伝じゃないです)。

 

TOEICについて

僕は4年の9月に800点を取って、それを提出しました。

東大の合格者は800前半が多い気がします。ですが、900点の人もいれば750点で受けている人もいます。

TOEICの点数を上げるために、受験半年前まで頑張るというよりも、ある程度の点数を1年前に取っておいて受験英語を勉強する方がよっぽど良いと思います。

受験期間はTOEICの点数が気になるものですが、750点あれば併願大学も太刀打ちできる点数だと思います。実際、阪大基礎工を受けてみて聞いたところ、平均700前半くらいでしたから。750あれば、あんまり気にしなくても大丈夫です。これは断言できます。

勉強法に関してはTOEICは、短期間でガッツリやるというよりも長期間で少しづつやる方がいいと思います。その方が数物にも時間を避けるので。

リーディングは公式問題集や精選模試を1周したら、2.3回音読して分からなかった単語をQuizletにまとめてスキマ時間に見ることをしました。金フレ、公式問題集、出る1000、精選模試をやっておけば8割取れるようになると思います。

リスニングは公式問題集をひたすらやってました。通学時間中に1.5倍速で音声を聴いたり、1.5倍速でシャドーイングをずっとやりました。

 

英語について

英語はTOEICとは違います。TOEICTOEIC語です。英語力がある人がTOEICを受けたら当然のように高得点ですが、英語力がない人がTOEICを勉強して英語ができるようになるというのは間違いです。東大には英語の試験があるため、受験英語をちゃんと勉強する必要があります。

僕の場合、和訳は高校時代の塾で基礎は出来ていたのでポレポレのみで対策しました。基礎がない場合は単語力を強化した後、英文解釈の技術をやるのが無難だと思います。

英訳は和文英訳教本の赤で基礎を学び、過去問で演習しつつ、例文集を読むのがいいと思います。僕は技術英語の例文集を買うことで結構スピードと精度が変わりました。

長文は軽い参考書を1冊やった後はあまりやりませんでした。大学受験の問題を解いていたこともありますが、和訳が出来れば大抵できる気がします。

 

数学について

数学は比較的好きで、計算力もあったので学びやすかったです。

勉強法としては、やると決めた参考書を1.2周していました。数学は暗記するのではなく、理解して身につけることで成長スピードが全然違うと思います。編入数学を始めた初期、徹底研究をやっていたんですが、全く分からず、ほぼ暗記状態になっていて1周目は全く身につきませんでした。しかし、2周目を教科書を見ながらしていくと理解が深まりすぐに身につきました。理解に関しては、ecc編入学院の影響も大きいと思います。そのため、何周かして満足するのではなく、周回数より理解したかどうかが重要です。

徹底研究などで1回様々な分野を一気に学んでから、それぞれの専門書に手をつけるというのも良いと思います。

 

物理について

物理は数学と違って計算力とか関係なく、何も勉強していない状態だったのでとても苦戦しました。受験時の状態でも力学を完璧に理解しているわけではなく、解いた問題数が多くて、運良くパターンに当てはめれたから解けただけだと思います。

僕がやったら良かったと思う勉強法は、僕みたいな物事を物理的(定性的)に考えて問題を解けない人は、問題演習と教科書を同時にやることです。問題演習をしながら、なんでこうなるのか?という疑問を教科書で解消していけばスムーズに進むと思います。1周目では全く分からなくても2周目以降で、「あ、こういう事だったのか」というのが出てくるはずです。

僕は演習力学を先にして理解した気になって、問題演習に望んだので、全く解けず、意味も分かりませんでした。そのため、問題演習しながら教科書的な参考書(演習力学など)を同時並行するのがオススメです。

 

 

なぜ東大に合格することが出来たのか

1.2年の時全く勉強もせず、何も真面目にやってこなかった僕がなぜ東大に合格出来たんでしょうか。

その理由の1つにはやっぱり勉強時間の確保があります。自分が勉強してないというのは英語で実感していたので、そこで諦めるのではなく、できるだけ勉強するという気持ちが大切だと思います。

また、受験勉強を3年の夏からしたことも言えます。東大に行く人はやっぱり基礎力が段違いか、早くから勉強してるかのどっちかがほとんどです。

塾も大きな要因です。高専入ってからも塾に行く人はほとんどいないと思いますが、僕はとりあえず行くって感じで、大学受験で旧帝大を目指してる人とかと同じクラスだったので、とてもインスピレーションを受けて、「自分はこんなんでいいのか、、」という気持ちで勉強する気になりました。高専以外の地元の人達がずっと遊んでいたりしたら、僕も勉強する気にならなかったです。勉強する人と仲良くするなどの周りの環境が、勉強を始めるモチベーションにとってはとても重要だと思います。

最後にスタプラですね。スタプラを始めることで周りの人がどれだけ勉強しているのかを可視化でき、自分も勉強しなければならないと感じるようになります。そして、グループを作ったりして共に高め合うことが重要です。

 

 

使用していた参考書

僕が使用していた主な参考書をオススメ度と難易度(5段階)で分けていきます。

TOEIC

・公式問題集 オススメ度:5、難易度:3

この本を何周もしていれば750はいけると思います。少し本番のテストの方が難しく感じるため、そこは難点です。

・金フレ オススメ度:5、難易度:3

単語帳はこの本さえやればオッケーです。あとは問題を解いていくにあたってわからなかった単語をまとめていくのがいいと思います。

・精選模試 オススメ度:5、難易度:5

本番の方が公式問題集より難しいという問題を解消してくれるのがこの本です。この本を解いて音読をすることで圧倒的な力が付きます。

・でる1000 オススメ度:5、難易度:4

part5はこの本をすることで9割安定します。時間はかかりますが、とてもオススメです。

 

英語

・ポレポレ オススメ度:5、難易度:4

この本は僕の英語力の要です。本だけで勉強するのもいいんですが、著者がyoutubeで解説してるので見ながら勉強するのがオススメです。

・やっておきたい英語長文シリーズ オススメ度:4、難易度:バラバラ

このシリーズは長文の単語数ごとに難易度が変わる参考書なのですが、長文を解くプロセスが簡潔に載っていて時間をかけず長文の出題形式になれることができるためオススメです。

・例会和文英訳教本 文法矯正編 オススメ度:5、難易度:4

この本のおかげで英訳の基礎が身に付きました。時間はかかりますがそれだけの価値はあります。青の方は赤とあんまり変わらないので3割くらいしかやりませんでした。

・技術英語の基本を学ぶ例文300 オススメ度:5、難易度:4

教本で学んだあと過去問を解いて、上手な訳ができないと思ったためこの例分集をしました。やる前は受け身を乱用していましたが、無生物主語を使うことができるようになりよかったと思います。

 

数学

編入数学入門 オススメ度:4、難易度:2

編入数学の中でも高校範囲の問題が入っていて、漸化式や複素関数は結構参考になりました。全部をやらずとも必要な箇所だけすると良いと思います。

編入数学徹底研究 オススメ度:5、難易度:2

編入数学の基礎中の基礎で、3周しました。最初にとりかかったときは全くできないと思いますが、何周もすることで身に着けましょう。

編入数学過去問特訓 オススメ度:5、難易度:4

数学の基礎が固まったら十分太刀打ちできます。やる前は難しそうだと思ったんですが、やってみるとA,B問題はわりといけます。

・大学編入試験問題数学/徹底演習 オススメ度:2、難易度:4

この参考書はあまり使いませんでした。理由としては誤植があったりしてあまりやる気にならなかったからです。

・大学編入のための数学問題集 オススメ度:4、難易度:4

この本もあまり使いませんでした。過去問特訓に時間をかけすぎてしまって、する時間がなかったからです。徹底演習とこの本は余裕があったらやればいいと思います。

・ベクトル・行列・行列式徹底演習 オススメ度:3、難易度:3

この本は一周しましたが、あまり力がつかなかった気がします。ベクトル空間らへんの内容がないため、この本をするなら、線形代数徹底研究をした方がいいと思います。

・細野真宏の確率が本当によくわかる本 オススメ度:5、難易度:4

この本は確率の最高の参考書です。条件付き確率と離散確率以外はこれでカバーできます。ちなみに条件付き確率はハッ確、離散確率は高専の教科書で学びました。

・工学系学生のための複素関数攻略への一本道 オススメ度:5、難易度:3

高専の教科書で複素関数の基礎を学んだあと、ローラン展開ジョルダンの定理などをこの本で学びました。ローラン展開の細かい場合分けが詳しく書いてあったり、複素積分を理解することができたので良かったです。

 

物理

・物理のエッセンス オススメ度:3、難易度:2

この本はあまりオススメしません。何故かというと最初に使う参考書だと思って買ってしまうと、理解が全然できないからです。一番最初には漆原亮の本がいいと思います。

セミナー物理 オススメ度:4、難易度:2

高校範囲の基礎問題を解くなら、この問題集がオススメです。全く基礎力がなかった僕でも、物理ってこんな感じかというのが分かりました。

・名門の森 オススメ度:5、難易度:4

高校範囲の総まとめをするならこの本がオススメです。僕は力学と熱しかやりませんでしたが、電磁気などもやったらよかったと思いました。

・演習力学 オススメ度:3、難易度:5

この本は大学範囲の力学を学ぶことができますが、僕には難しすぎて全く身に付きませんでした。大学範囲を始めにするという人は構えた方がいいと思います。

・弱点克服の初等力学 オススメ度:5、難易度:4

地方国立大の編入試験をまとめた参考書です。この本は僕にとっての高校範囲から大学範囲への架け橋になってくれました。何周もして理解するのがオススメです。

電磁気学演習 オススメ度:5、難易度:4

電磁気はこの本だけで演習しました。コロナ社電磁気学という教科書を見ながら進めました。基礎も応用も演習できて、とてもオススメです。

・マセマ熱力学 オススメ度:5、難易度:3

熱力学の基礎を学ぶならこの本がオススメです。ヨビノリを見ながら勉強すると理解度が深まると思います。

・熱・統計力学演習 オススメ度:5、難易度:4

サイクルや式を用いた計算を勉強するにはこの本がオススメです。統計力学の範囲はやらず、最初の方だけやりました。

・詳解力学、電磁気学演習 オススメ度:4、難易度:5

この本は過去問の類題を探したり、受験直前の総まとめとして使用しました。様々な問題に対応することができますが、その分量が果てしないため自分の苦手な箇所だけを勉強するのにオススメです。

 

 

最後に

僕は大学受験はある程度個人戦だと思いますが、編入試験に関しては団体戦だと思います。なぜなら、情報が少なすぎるからです。過去問を解くにしても、過去問が手に入らず、しかも答えがないです。そのため、大きなグループを作って情報交換したり、同じ志望校の人を3.4人集めて勉強するのがいいと思います。

 

これまで僕が受験期間中にやってきたことや感じたことをダラダラと書きました。この体験記が今後の編入生のモチベーションに繋がったら幸いです。

 

もし何か質問などあればX(twitter)で(@zumizumi115)に連絡してください。スタプラで過去の勉強記録を見たかったら(ずみずみ)って調べたら出てきます。